KrotosからIgniter Live登場

ゲームオーディオ / サウンドデザイン

Dehumaniserの製作者Krotosから、カスタマイズした自動車のサウンドを自由にデザインするための強力なソリューションが出ました。

今年のはじめにIgniterのVST/AU/AAXバージョンをリリースしたKrotos。これに続くIgniter Live は、Wwiseで使えるようにポーティングし、最適化し、カスタマイズした、Igniter Technologyの新バージョンです。

Igniter Liveの利点

本物の自動車や航空機は、数々のサウンドエフェクトの中でも収録や製作が最も難しいとされる音の一種で、費用も高額になることがあります。

 

IGN Live

VST/AU/AAXプラグインは2つのバージョンがありますが、Igniterの現行バージョンを使えば、実在する自動車や航空機からSFに登場するようなマシンまで、エンジンのサウンドエフェクトを手軽につくり出せるうえ、操作できる20種類以上の自動車・航空機と、1,943種ものオーディオアセットがあり、例えばアストンマーチン、フェラーリ、ポルシェ、テスラ、ハーレーダビッドソン、ヒューイUH-1H, アグスタウェストランド119x、CH-47Dチヌーク、ボンバルディアチャレンジャー、セスナ560XLなど、そしてスキッド音やスィートナーなども多数入っています。収録を手がけたのは、ワトソン・ウー(Watson Wu)氏、The Recordist、Sounding Sweet、ジョージ・ブラッド(George Vlad)氏、Echo Peak、Flysoundなどです。数千ドル分のレコーディングで、これを使えば編集作業を何時間も節約できます。

IGN Oscillator

業界のいたる分野から多くのゲームデベロッパのフィードバックをいただき、KrotosはAudiokineticと協力してアーリーアクセス版をWwise向けに用意しました。また、このプロジェクトはKrotosとAudiokineticの新パートナーシップをアナウンスする機会ともなり、これからも私たちはゲームオーディオミドルウェアに最先端のオーディオツールを提供していきます。

Ak_VehicleEdit

Igniter流のワークフロー

Igniter Liveのワークフローは3つに分かれています。

1. Igniter Live Granular/Loop Wwise Authoring Plugin(オーサリングツール内やランタイムで、再生に使います)
2. Analysis Tool(プラグインで使うグラニュラーシステムとループシステムを自分でデザインするのに使います)
3. Igniter Live Synth Wwise Authoring Plugin(オーサリングツール内やランタイムで、再生に使います)

Audiokinetic発行のライセンスがパート別にあります。ライセンスを1つずつ取得するのか、すべて取得するのかは、あなたのプロジェクトのニーズに合わせて決めてください。まず「Granular/Loop」ソースプラグインのライセンスだけを取得してそこに含まれる様々な自動車や航空機を利用したり、必要に応じてAnalysis Toolを追加して自分のアセットもデザインしたりできます。あるいは「Synth」プラグインのライセンスだけを取得して、音楽やSFXなど自動車エンジン以外の目的に使い高度なシンセをつくることもできます。

「Granular」「Loop」「Synth」の各システムを自由に設計しながら、ユースケースによってはそれらを組み合わせて、難なくWwiseに取り込むことができる商用システムは、ほかにはありません。Krotosの人気のVST/AU/AAXプラグインの自動車や航空機のサウンドがそのまま、追加料金なしで利用できるのです。

また、複数のプロジェクトのインテグレーションに関しては、Analysis Toolでデザインしたアセットを再利用したいと思えば、追加ライセンスなしで可能です。自分の自動車や航空機を一度デザインしてしまえば、複数のタイトルやDLCで使えるので、自由にデザインして(対象プロジェクトのIgniter Liveランタイムプラグインのライセンスがあれば)あとから再利用できます。

 

開発

Krotosの開発チームは、この業界で活躍する大勢のデベロッパと細かいやり取りをしながら、このようなツールにプロが何を求めているのかを探り、絶対に必要だと思われるメイン機能を聞き取りながら、各段階でプロトタイプをつくりました。私たちのグラニュラーエンジンが幅広いユースケースに対応できることを再確認できたことは非常に嬉しく、Krotosのループシステム自体が非常にパワフルであることも発見しました。

また、Analysis Tool では、ソースマテリアルの種類に関わらずアナリシス結果を調整できるという新たなアプローチを導入しています。どの自動車もレコーディングも音は異なりますが、アナリシス結果を簡単に手早く調整できるツールセットを使えば、グラニュラーアプローチでは満足できないことが多い車両タイプでも、そこから素晴らしいサウンドを引き出せます。ドローツールを使って自動アナリシス結果を直線に整えたり修正したりできるほか、ハーモニクスをトラッキングして、必要と感じたときは実験しながら調整できます。

さらに、自動車や航空機のデザインの手間のかかる部分を効率化するために自動化された機能一式を用意し、トラッキングしているハーモニクスの検知や、特定のオンロード(onload)とオフロード(offload)のレコーディングのマッチングや、動作全体の確認(エンジンと排気、オンロードとオフロード、など)や、最終的な仕上げ処理が、1つのアプリケーション上で実現します。そして設計が完了すれば、エンジンパッケージや排気パッケージとしてまとめてエクスポートし、Wwiseのプラグインの別々のインスタンスにインポートしてミキシングやスペーシャリゼーションを行えます。

私たちはループシステム のWwiseでの使い方を考え直しました。Igniter Liveでは1つの Wwise ボイスを使い、最大6つのループをスムーズなトランジションでつなげ、リソースを節約しながら品質を確保できます。高速時のループシステムをデザインできるエンジン専用のワークフローを整え、ピッチアナリシス、トラッキング、自動計算、トランジションの配置などをループ間で行えます。このシステムはエンジン音で特に力を発揮しますが、その他の目的のループシステムにも応用できます。

Analysis Toolの画面にピッチトラッキングやマッチングなどのツールがあるので、 グラニュラーシステムとループシステムの組み合わせが驚くほど簡単です。グラニュラーコンテンツを使いピッチがマッチするループシステムをデザインしたり、RPMの範囲内で好きな位置にピッチマッチングをしたループを導入したり、グラニュラー実装をベースにしてアイドリングやMax revの部分だけをループとして追加したりするのも、簡単です。

Igniter Liveにはすぐに使える数多くの自動車や航空機がファクトリーアセットとして搭載されているので、プレビューで試したり、あなたのプロジェクトに取り込んだりできます。すでに市場にあるほかのエンジンソリューションと異なり、これら自動車・航空機がIgniter Liveのライセンス料に含まれているので、多様なスポーツカー、一般車両、バイク、ヘリコプター、ジェット機、複葉機などをそのまま使えます。

以下はIgnitor Liveに含まれる車両・航空機の一覧です:

  • アストンマーティン ラピード
  • アウディR8
  • フェラーリ430
  • ランドローバー ディフェンダー
  • スバル インプレッサ
  • トヨタ チェイサー
  • ダチア 1310
  • U650 M トラクター
  • メルセデス アクトロス
  • バッカー BU 131
  • ホンダシビック
  • スバル クロストレック SUV
  • フォードF150
  • ハーレーダビッドソン99 Hog
  • ポルシェ カレラ
  • ヒューイ UH-1H
  • セスナ560XL

Igniter Live 

Igniter Liveの「Synth」ソースプラグインは、機能豊富なシンセを提供します。ウェーブテーブルシンセで、複数の波形から選べ(自分のウェーブテーブルもインポート可能!)、波形をブレンドしたり、FMやAM(独立したモジュレーション波形あり)などを、最大4つのパラレルオシレータで操作できます。ランタイムの様々な目的に合わせて使える、恐ろしくパワフルなシンセなのです。

このシンセは、SF系マシンやランタイムのサウンドデザインをつくるのにも利用できます。「Granular」プラグインと合わせて使えば、さらに独特の効果が期待できます。グラニュラーソースの任意のポイントを選び、そのときの周波数をAnalysis Toolに表示させて好きなオシレータにつなげば、実在する自動車や航空機の音を拡張することでSF風に変化させることも可能です!

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Matthew Collings

Matthew Collings

KrotosGeneral Manager

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