新Wwise-201 技能検定コースで、インタラクティブミュージックを習得しよう!

インタラクティブミュージック

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背景

Audiokineticは10年以上前に、ゲームオーディオ実装作業のような淡々とした「テクニカル作業」と、オーディオに情熱を抱く人の多くが時間を費やしたいと思う「クリエイティブ作業」の境界線を崩しました。ちょうどその頃、アメリカはアリゾナ州、砂漠地帯にあるオーディオプロダクション専門校のConservatory of Recording Arts & SciencesCRAS)では、急成長するゲームオーディオの需要と可能性を学生たちに教育する方法を探求していました。この両者のめぐり合わせは、パーフェクトだったのです。CRASはすぐにAudiokineticWwiseの採用を決め、CRASが誇る実践を取り入れたオーディオプロダクション教育の手法に、学生が使う主要ツールとしてWwiseを取り入れました。その後、長年Wwiseを使い続けて教育的アプローチを洗練させたCRASに着目したAudiokineticは、その授業内容のコンセプトをCRASという枠組みを超えて拡張させることを依頼し、作成された無料教育リソースWwise-101は、これまでに何千人ものユーザーに利用され大きな成功をおさめています。現在、この学習教材はWwiseの学習に役立っているだけでなく、多くの人々にとって、ゲームオーディオインテグレーション全般の世界へ踏み込むきっかけともなっています。

Wwise-201技能検定、その開発の舞台裏

Wwise-101の続編の方向性を検討する上で、すぐに音楽に焦点をあてることが決まりました。なぜなら、そこに多くの需要があったからです。Wwise-101の学習内容を話し合っていた頃から、1つの章で音楽を取り上げてはどうかという意見がありましたが、トピックとしてあまりにも奥深い上に、Wwiseのインタラクティブミュージックの機能一式が豊富なため、専用のコースが必要だという認識がありました。さて、Wwise-201の対象は誰なのかを決めるまで、多くの時間を費やしました。まず前提としてWwiseのインタラクティブミュージックシステムは、Wwise-101コースで説明した具体的な操作を頻繁に行う必要があるため、Wwise-201の受講生をWwise-101コースの修了者としました。一方、インタラクティブミュージックの経験に関しては、特に制限を設けていません。Wwise-201を計画する上で、ゲームミュージックのインテグレーションなどは初めてだというコンポーザーや、Wwiseのインタラクティブミュージックシステムに触れたことがないゲームインテグレーターなどでも、受講できる内容にする必要がありました。

Wwise-201コースの教材作成に取りかかり始めたのは、1年以上も前です。コンセプトやテクノロジーを決めることができたとしても、実際に作業をしながら学べるアプローチを提供するメソドロジーの開発は、全く違う次元の複雑さが伴い、CRASが誇りとするレベルの教材を作成するのは特に困難でした。全体を理解する上での複数のコンセプトから、具体的なWwiseの機能に至るまでを網羅するには、それに見合ったシナリオ設定が要求されます。このようなシナリオを作成するためにサンプルゲームやミュージックをカスタマイズして、数多くあるWwiseの機能を学べる具体的なチャンスをつくり出さなければなりませんでした。Audiokineticの優秀なチームが、短期間でCubeを微調整して編集してくれました。一方、コースで使うミュージックアセットの準備には、全く違う難しさがありました。

ミュージックアセット

そこで、モントリオールにあるゲーム音楽作曲チーム、Vibe Avenueの2人、FX・デュパ(FX Dupas)とマチュー・ラボア(Mathieu Lavoie)に協力を依頼しました。FXとマチューは、ゲームミュージックの作曲に非常に長けているだけでなく、Wwiseを長年使ってきたゲームオーディオインテグレータでもあります。さらに、二人とも実はインタラクティブミュージックを教えるゲームオーディオの教育者としても評判が高く、FXはモントリオール大学で、マチューはケベック大学モントリオール校で教鞭を取っています。このため、我々が必要としている内容と目的をすぐに理解してくれました。

まるで夢のような相手で、例えば「異なる拍子を扱う場合に親階層をオーバーライドすることの重要性を示したいので、Explore部分のテーマ音楽でセクションAからBにトランジションする時の、3/4拍子のセクションを1つ作曲してくれる?」と言えば、理解してくれるわけです。そればかりか、彼らの実体験に基づくアドバイスのおかげで、コースを改善することもできました。Vibe、ありがとう! 

ミッション達成

丁寧に手順を追った300ページを超える説明書に、ゲームと全ての音楽アセットを添えて提供できることになり、我々はミッション達成です!誰もが無料で、 ミュージックインテグレーションをWwiseで学べるようになりました!さらに、あなたの知識を正式に認定して公表できるように、Wwise-201検定試験を有料で設けてあるので、Wwise-101認定者であればどなたでも受験できます。この資格を取得すると、WwiseのCreators Directoryに掲載されるあなたの情報に追加され、公式にWwiseでインタラクティブミュージックをインテグレートする知識があることを証明できます。

私達と同じように、あなたもWwise-201学習教材をエキサイティングで便利だと感じ、あなたや仲間のインタラクティブミュージックのゴールに向けて活用していただければ光栄です。

 

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Audiokineticプレスリリース:  

Wwiseのインタラクティブミュージック技能認定プログラムで、AudiokineticとCRASが提携

 

 

 

ロバート・ブロック(ROBERT BROCK)

ロバート・ブロック(ROBERT BROCK)

ロバート・ブロックは、アリゾナ州のオーディオプロダクション専門学校 Conservatory of Recording Arts & Sciences(CRAS)のデジタルレコーディング学部のディレクター。Audiokineticと協力し、ゲームオーディオインテグレーションを学ぶオーディオプロダクションの学生のメインの実践的ツールとしてWwiseを導入し、Wwise-101技能検定とWwise-201技能検定の2つのコースの開発において中心的な役割を担う。CRASで "1 to 1 laptop initiative" を推進した成果を認められ、2009年にApple Distinguished Educatorに任命される。また、プロのエンジニア、プロデューサー、そしてオーディオコンサルタントとして活躍するかたわら、優れたキーボード奏者でもあり、定期的に演奏を披露している。

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